はじめに
はじめまして、未yau知(みやうち)といいます。
最初に軽く自己紹介とこの記事の趣旨についてお話しておきます。
僕がこの記事を書いているのはおそらく日本初?のBLDオンリーの大会、大田BLD2022夏の2日後で、僕はその大会で初めてBLDの大会に参加しました。で、BLDを始めたタイミングはその大会の2か月ほど前です。要するにBLD超初心者です。
そんな人が何を書くのかというと
BLDは理屈攻めできちゃうよ!
ということです。
BLDはどんな解法でも最初は手順を覚えないといけないと思いますが、僕は手順を覚えるのが苦手だったので何とかして覚えないでできないものかなと考えました。その結果、ほとんど手順を覚えることなく手順の仕組みを理解することでBLDを成功させました。正直なところ手順を覚えることが苦じゃないなら覚えた方が手っ取り早いでしょう。(手順の仕組みを理解することは手順を覚える上でも効果があると思いますが。)この記事で伝えたいことはあくまで手順をたくさん覚えなくても始めるだけなら可能ですよということなので、「ああ、こういう入り口もあるんだな」程度に受け取ってもらえたら幸いです。
解法について
この記事ではタイトルにもあるように、Orozco method を扱います。なので最初は軽くOrozcoの基本的な説明をしたいと思います。
Orozcoでは
エッジバッファ:UF
エッジヘルパー:BU
コーナーバッファ:UFR
コーナーヘルパー:UBR
を使います。なんのこっちゃと思う人もいるかもしれませんが、まぁそうなんだな程度で多分大丈夫です。大事なのは用語じゃないので。
そしてこれはとても大事なのですが、コミュテータ表記についてです。
コミュテータ表記は手順を[A, B]のように表記するものです。A、Bの手順の逆手順をA'、B'と書くと、
[A, B]=A B A' B'
となります。例えば
[R U R' U', M']
とあれば、これは
[R U R' U', M']=R U R' U' M' U R U' R' M
と回せばよいことになります。前半は素直に R U R' U' M' と回して、後半はコミュテータ表記でAに対応する、今回ならば R U R' U' の逆手順を回して、その後コミュテータ表記でBに対応する、今回ならば M' の逆手順を回せばよいことになります。(ちなみに今回使ったこの手順は皆さんおなじみのOLLですね。気づきましたか?)
ここでは簡単に説明しましたが、より詳しく説明されている以下の記事を参照するとより深く理解できると思います。(この記事の添付、問題があれば教えてください。)
また、分析方法やナンバリングについてわからないという方はこちらの記事・動画を参照すると良いでしょう。解法は違いますが、分析方法やナンバリングは同じなので。(丸投げでごめんなさい…)
エッジOrozcoの仕組み
さて、やっと本題です。タイトルにもあるようにこの記事ではエッジOrozcoの話しかしません。(コーナーまでやると長くなりすぎるので…)
エッジOrozcoでは3点交換を繰り返し行うことで揃えます。そして分析で奇数番目のパーツはバッファに、偶数番目のパーツはヘルパーにあります…とか文字で書いてもわかりにくいですよね。なので具体的なスクランブルを用いて解説をします。
その前にバッファとヘルパー以外のエッジを以下のように4つに分類します。
- RUL回転のみでバッファ(UF)にもってこれるパーツ(パターン①)
- RUL回転のみでヘルパー(BU)にもってこれるパーツ(パターン②)
- DもしくはD'セットアップで上記のどちらかに帰着できるパーツ(パターン③)
- UB(パターン④)
画像も作ってみたのですがなんだかわかりにくいですね…w なのでこの際全部書き連ねておきます。
RUL回転のみでバッファ(UF)にもってこれるパーツ
→UR FR DR BR UL FL DL BL
RUL回転のみでヘルパー(BU)にもってこれるパーツ
→RU RF RD RB LU LF LD LB
DもしくはD'セットアップで上記のどちらかに帰着できるパーツ
→FD DF BD DB
そしてUBはUBですね。まんまです。UBの場合は手順
M' U' M' U' M' U' M' U2 M' U' M' U' M' U' M'
を回せばいいです。ここは覚えましょう。(ちなみにU'→Uでもいけます。)
では他はどうでしょうか。例えば以下のような場合を考えます。
これは[M, R'U' R U]で揃えられます。
「おいおい結局手順かよ」
安心してください。これからちゃんと説明します。
バッファにあるパーツはURに本来あるべきです。よってバッファにあるパーツは先ほどの4つのうち、RUL回転のみでバッファ(UF)にもってこれるパーツに分類されます。なので、画像でのURの部分をバッファに持ってくる必要があるのですが、2つ注意すべき点があります。ひとつは揃えようとしているパーツのある場所と持ってこようとしている場所が重なっている場合は揃えようとしているパーツをMもしくはM'でU面から逃がさなくてはならないということです。もうひとつはバッファとヘルパーの位置関係を崩してはならないということです。
さて、これらを踏まえて上の画像の例を再度見てみましょう。
先ほども言ったようにこのパーツはURにあるべきなのでURをバッファに持ってくる必要がありますが、揃えようとしているパーツもバッファにあるのでMでU面から逃がします。
そして次にURをバッファの位置にもってくるのですが、単純にUをしてしまうと、ヘルパーの位置も動いてしまいます。なので、R' U' R U とすればよいのがわかります。
こうすることでヘルパーの位置は変わらずに先ほどURにあったパーツがバッファの位置に来ています。あとはM’で逃がしていたパーツを戻してURからバッファにもってきたときと逆の手順U' R' U Rを回せば揃います!
実際にエッジBLDをやるときは分析で奇数個目になっているパーツをそろえる場合はバッファにそのパーツがあり、偶数個目になっているパーツをそろえるときはヘルパーにそのパーツがあります。
実際にエッジBLDのスクランブルでやってみよう!
最後に実践です。以下のスクランブルを使って見ながらやってみましょう。
D F2 U2 R2 U2 L F2 D2 F2 R U2 R2 B U B' F D U' F'
まずは分析ですね。今回は先ほども紹介したまっさんの動画でも紹介されているナンバリングを使って分析をします。念のためナンバリングの図も出しておきますね。それからU面白F面緑です。
分析結果は、けたきなすいくちふち となります。途中までは素直に分析するだけですが く の後はバッファに戻って2ループ目に入ります。そして、ループが複数あるときはそのループの最初の文字も含めます。今回なら ち が二回出てきていますね。
ここで、偶奇を分かりやすくするために分析文字列を2文字ごとに区切っておきます。
けた きな すい くち ふち
最初は け ですね。奇数回なのでバッファにパーツはあります。そして け はエッジのパターン①に該当するので、MでU面からパーツを逃がします。そして け の位置をU L' U' でバッファの位置にもってきます。そしてM'でパーツをバッファに戻して、U L U' で終わりです。
次は た です。偶数回なのでヘルパーにパーツはあります。そしてこれはヘルパーに本来あるべきなのでこれはskipです。ラッキーですね。
次は き です。奇数回なのでバッファにパーツはあります。そして き はエッジのパターン①に該当するので、MでU面からパーツを逃がします。そして き の位置をU' R U でバッファの位置にもってきます。そしてM'でパーツをバッファに戻して、U' R' U で終わりです。
次は な です。偶数回なのでヘルパーにパーツはあります。そして な はエッジのパターン②に該当するので、M'でU面からパーツを逃がします。そして な の位置をL' U' L U でヘルパーの位置にもってきます。そしてMでパーツをヘルパーに戻して、U' L' U L で終わりです。
次は す です。奇数回なのでパーツはバッファにあります。そして す はエッジのパターン②なので、す の位置をU R2 U' でヘルパーにもっていきます。そしてM'でパーツをもってきた位置に入れて、U R2 U' で戻してM'した分Mをして終わりです。
次は い です。 偶数回なのでヘルパーにパーツはあります。そして い はエッジのパターン①なので、い の位置をR' U' R U でバッファにもってきます。そしてMでパーツをもってきた位置に入れて、U' R' U R で戻してMした分M'しておしまいです。
次に く です。奇数回なのでバッファにパーツはあります。そして く はエッジのパターン③なので、Dで す にセットアップします。あとは すの時と同じです。 す の位置をU R2 U' でヘルパーにもっていって、そしてM'でパーツをもってきた位置に入れて、U R2 U' で戻してM'した分Mをして、セットアップした分D'して終わりです。
ここから2ループ目に入ります。分析では ち としていましたね。偶数回かつエッジのパターン①なので、ち の位置をU L U' でバッファの位置にもってきて、Mでパーツをもってきた位置に入れて、U L' U' で戻してM'しておしまいです。
次は ふ ですね。奇数回なのでパーツはバッファにあります。そして ふ はエッジのパターン③なので、D' で ひ にセットアップします。そしてMでパーツをU面から逃がして、U' R2 U で ひ の位置をバッファの位置にもってきて、M'でパーツをもってきた位置に入れて、U' R2 U で戻して、セットアップ分をDで戻して終わりです。
最後に再び ち です。偶数回なのでパーツはヘルパーにあり、エッジのパターン①なので、ち の位置をU L U' でバッファの位置にもってきて、Mでパーツをもってきた位置に入れて、U L' U' で戻してM'しておしまいです。
これでそろって…ません!なんでや!と思う人もいるかもしれませんが、このスクランブルはEOがあります。エッジOrozcoではEOが奇数個ある場合はバッファも反転します。どう解決するかというと、エッジパターン④を応用します。手順を回してみればわかると思いますが、M' U' M' U' M' U' M' U2 M' U' M' U' M' U' M' はバッファとヘルパーのEOを反転させる手順となっています。なので、適当なセットアップをしてこの手順を回せばEOは解決できます。今回ならば、Bでいいでしょう。最後にセットアップした分B'で戻すのを忘れないようにしましょう。
最後に
はい。いかがだったでしょうか。正直最後まで読んでくれている人はそこまで多くないのではとか思ってしまっています。特に後半、メインの部分なのに文字ばっかで飽きたでしょう。申し訳ないです…
僕はいちいち上記のようなことを考えながらBLDをやっています。多分効率は悪いでしょう。でも慣れてくるもので思考時間はどんどん減っています。BLDの知識がない状態からでも仕組みを理解できればBLDはできるってことなんですよね。当たり前ですけど。個人的にはいい入り方だったと思います。(ないとは思いますが)この記事が役に立つことがあれば幸いです。
最後に、「コーナーどうすんのよ」という方のためにチョコボックスさんのコーナーOrozcoの記事を貼っておきます。僕も参考にさせてもらったとてもいい記事です。
ちなみにもしかしたらコーナーの記事も続きとして書くかもしれません。もしかしたらですが。
それでは皆さん、読んでいただきありがとうございました!